電子書籍に抵抗があるという人にKindleを勧めると「私は本は紙で読みたい」と言われます。それ自体はその人の好みなのでいいのですが、私は最近本読むのは紙か電子かみたいな議論は、不毛だなと感じています。
最近のAmazonの動きを見ていると、そんなところはとうに超えて、読書のインターフェースシフト、すなわちIoT化を目指しているように感じるからです。
あらゆるデバイスで読み上げに対応している
近年、Kindleアプリをインストールできるあらゆる端末で音声での読み上げが可能になっています。以前は。iOSなど一部のOSだけの機能だったのですが、今ではAndroid、FireOS、そしてAmazon EchoなどAlexaを搭載した端末でも可能です。
実はKindle PaperwhiteなどのKindle専用端末でも、英語では読み上げの機能は実装されています。ただ、日本語に対応できていないだけです。
あまり話題になっていませんが、これって凄いことです。Kindle化されている本であればどこからでも音声で再生ができる。そういう時代がすでにきているのです。
US版ではAudibleとKindleは完全同期できる
Kindleと並んでここのところAmazonが力を入れているのが、オーディオブックサービスのAudibleです。オーディオブックとは、プロの声優さんなどが本を朗読して配信してくれるサービスです。
Kindleの読み上げは無機質で苦手、人間の声がいいと言う人にはおすすめのサービスです。
このAudibleも実はアメリカでは、Kindleと同期できるようになっています。たとえば途中まで家でKindleで読んで続きは出先で、オーディオブックで聴くといったことが可能なのです。
Kindleは読書のIoT化を目指している
音声と活字が一体化したここまでのサービスを提供されても、読書は「紙か、それとも電子書籍か」という議論に何か意味はあるのでしょうか。
個人的は、Kindleによって読書がIoT化されるのではと感じています。
例えば、Kindleは現在でも自分が購入したKindle本の中からキーワードを横断的に検索できますが、今後音声でも同じようなことができるようになるのではないかと。
「アレクサ、購入済みのKindleからアドラーというキーワードを検索して」
というと、キーワードが含まれている本をリストアップしてくれるような時代が当たり前になるのではないでしょうか。
ひょっとすると、あらゆる家電から購入済みのKindleにアクセスできるようになって、Alexaの電子レンジにKindle本のレシピをダウンロードするみたいなことも可能かもしれないのです。
私はGoogleが無料コンテンツの海を制したようにKindleが有料コンテンツの世界を制するのではないかと考えています。
今日のアクション
最近のAmazonのサービスを見ていると、夢があるものが多いなと感じるのですが、競合する企業があんまりないのが消費者としては少し不安です。過度な独占はデメリットも大きいので、強い競争相手が出てきて欲しいところです。
《新版2017》本好きのためのAmazon Kindle 読書術: 電子書籍の特性を活かして可処分時間を増やそう![Kindle版]posted with ヨメレバ和田 稔 金風舎 2017-05-31 Kindle