最近は大分減ったのですが、書籍は紙で読むのがいいのか、電子書籍で読むのがいいのかという議論があります。まぁ 最終的には好みの問題の部分もあるのですが、こういう議論をするときに、結構な割合でそもそも電子を否定するために議論が展開されていることが多い気がするのです。
もうそういう結論ありきの議論は止めて欲しいのです。
電子書籍は記憶に残らないは本当か
一時期、紙の書籍に比べて電子書籍で本を読むと記憶に残りにくい言われていました。それに関する研究論文もあるようです。ただ、こういう研究論文って、だいたいの場合は電子書籍をスマホやタブレットで読んでいるんです。Kindle Paparwhiteのような電子インクの媒体は含まれていません。
電子書籍とひと言でいっても、どのデバイスで読むかによってかならUXは変わって来ます。例えスマホで読むにしても、ここ数年でスマホのディスプレイは、液晶から有機ELになり画面を見た時の印象がかなり変わりました。今後より優れたディスプレイが登場するでしょう。
果たしてこの記憶に残らないといっているのは、電子書籍のことなのか、それとも何かのディスプレイで活字を読んだ時なのか、まったく問題の定義がはっきりしないように感じるのです。
そもそも電子書籍が一般に普及してそんなに年数がたっていません。まだまだ十分な研究結果出そろったとは全然言えない気がするのです。
ページめくりは慣れの問題
紙の本が電子書籍より優れていると断言する人に言われるのが、ページをめくる感覚の話。紙の本をページをめくるあの感覚がいいのだよと言われます。
ですが、そういうのって多分ページをスライドしてすすめることに慣れていないだけです。実際にやってみれば感覚的に大差がないことにすぐ気が付くはずです。実際、電子書籍をこういう形で否定する人の多くは、そもそも電子書籍でまともに本を読んだことがない人な場合が多いです。
紙対電子という構図自体がおかしい
紙がいいか、電子がいいかという議論をはじめてしまうとどうしてもどちらが優れているかという議論に陥ってしまいます。ですが、私はその議論そのものに疑問を感じていまいます。
本の中にも、個人差はあるでしょうが、紙で読んだほうが読みやすい本、電子で読んだほうが読みやすい本、さらに電子書籍の中にも、タブレットで読んだほうが読みやすい本、電子インクの専用端末で読んだほうが読みやすい本といのが存在します。加えて、音声で聴くオーディオブック、さらには今後VRで読書という選択肢もでてくるかもしれません。
動画や音声メディアが激増した結果、どうしても現代人は本を読む時間が減っています。
よく私は活字中毒でみたいな言い方をする人がいますが、対立の構図を作るなら、活字VS動画くらいのほうが自然です。動画が氾濫したことで活字文化の危機だと主張するならすこし頷けるところもあります。
むしろ電子書籍は、読み方の選択肢が増えて、より活字がみじかになったと喜ぶべきところなのです。
今日のアクション
私も紙の本は大好きです。ですが、忙しくてなかなか腰を据えて読む時間が確保しにくいのも事実。だから手軽に読める電子書籍は素晴らしいと感じています。