年末の差し迫って、仕事納めに向けて仕掛かっている仕事を急ピッチで終わらせようとしている人も多いのではないでしょうか。でも、考えているほどにはすすまないと嘆いていませんか。
国が推し進めている働き方改革は、仕事の生産性を上げて労働時間を減らすとありますが、生産性をあげるとはどういうことなのか。私の経験からすれば、それは労働時間を減らすことだけでなく、仕事の精神的な負荷を減らすことだと感じています。
本書はビジネス心理学の専門家、佐々木正悟さんが仕事の精神的負荷を減らす方法論をまとめた書籍です。
仕事の精神的負荷は見通しが立たないことから生まれる
そもそも仕事に負荷を感じるのはどんなときでしょうか。いくつかのパターンが考えられますが、その一つとして仕事の見通しが立たないという場合があります。今日、どこまで仕事を進めればいいのか、全体の何割くらいが終わっているのか、それがわかならい時です。
今ニュースなどで長時間労働による過労死が問題になっていますが、このような状況に陥ったとき、もっともダメージが大きいのは長時間働くという肉体的負担よりもエンドレスに続く仕事の対する見通しの悪さだと感じています。
これまで経験の新しい仕事に着手して、終わったらクタクタになったという経験は誰しもがあるのではないでしょうか。これは仕事をしている段階で、終わりまでのイメージがわかないからです。
裏を返すと、見通しを立てられる状況になれば、精神的な負担はどんどん減っていくはずなのです。
仕事はとにかく分割する
仕事の見通し立たなくなったときに、我々がついつい考えてしまうのが「とりあえずまとまった時間を確保してイッキにやればなんとかなる」という発想です。
ですが、この方法は心理的にかなり負荷が高いと感じています。まとまった時間を確保してというのは、時間を確保できるまでは手をつけないということで、潜在的な不安感はどんどんまして行きます。しかも手をつけたところで本当におわる確証はないのです。
本書では、この原因を多くの人が持つ自信過剰だと指摘しています。そう時間をかければ終わるというのは、自分の能力の対する過信の表れなのです。
こういう場合、イッキに仕事をこなすのではなく、毎日少し時間でいいので確実に時間もとって、仕事と向き合うことが精神的な負荷を減らします。予定の立て方もそいうふうに立てて行くべきなのです。
今日やるべきことだけをやる
毎日、向き合うとは言ったものの、過剰に前倒しで行うのも実はよくありません。
日本人は勤勉で真面目な人が多いため、仕事は常に前倒しで行うほうが良いと考えている人が多数派です。ですが、こういうタイプに人に限って仕事量が減らず悩んでいるというケースが多いのではないでしょうか。
本書では、今日やる仕事のリストを作ってそれ以上は絶対やらないということを推奨しています。
その理由は、今日する仕事の判断基準を持つことで精神的に疲弊しないからです。あの仕事はやるべきかどうか。それを悩んでいるだけでも判断につかう精神力が消耗してしまい、作業効率は落ちてしまうのです。
また、日本の場合は前倒しで作業を進めても、埋まった時間でさらにそれ以上のタスクが降ってくるのはどこの現場でもあることなので、今日はこれをやる。それ以上はやらないという意識付けはものすごく大事だと感じます。
今日のアクション
本書を読んでいると、自分で精神的に負荷がかかるような仕事の仕方をしているなと感じる箇所が複数ありました。なんか自爆しています。
仕事は一人で完結しないことのほうが多いので、100%本の通りにはいきませんgが、自分の仕事の何が負荷になっているのかを考え直す上で参考になる書籍です。
本書は佐々木正悟様に御献本頂きました。