今週は働き方の参考になりそうな本を二冊ご紹介。
一冊目は、今日とで一日100食限定で料理をだして大成功している佰食屋のオーナーさんの著書。過剰な利益追求主義を辞めて、社員とお客さんの幸せを追求した結果、今のスタイルが生まれたそうです。
売り上げ至上主義で、平すらに店舗数を増やすことを追うのではなく、あくまでも必要、最適な売り上げをゴールに設定することで、社員の幸せも顧客満足も追求できると書かれています。
たしかに過剰な利益追求主義の果てに、ビジネスとしては成功していても社員が疲弊している会社はたくさんあるわけで。そういう利益至上主義に一石を投じる内容となっています。
もう一冊がこちら。英国出身のアナリストの方が、日本人の生産性を上げるにはどうしたら良いかということが書かれています。
ちまたでは、日本人の生産性を上げるには、無駄な会議を減らし、作業をITなどで効率化するというミクロな視点ばかりに注目が集まっていますが、本書の視点はかなり違います。
日本人の労働生産性を上げるには、人口に対して多すぎる中小零細企業の数を減らし、大企業の数を増やすこと。日本の中小零細企業の多くは、社員の教育やITなどの設備投資にお金をまさせておらず、そのことが生産性の低下を招いているとの主張。
そしてそのためには、今の中小企業に対する優遇政策を辞めて、最低賃金を現在の倍以上にして、それについてこれない企業は潰してしまうべきだと書かれています。
私は経済のことは詳しくないので、本書の書かれていることがどの程度正当性があるのかわからないのですが、主張を読む限りかなり納得できる部分があります。
私がこの二冊を並べて紹介するのは、企業の生産性を上げるということに関して、現場と学問、縮小と拡大という相反する支店から書かれている点です。
ただ、二冊の本ともこれからの時代は、海外(インバウンド)をターゲットにすること、個人が成長し学ぶ続けられる環境を作ることの重要性は共通しており、その実現方法が過度の利益至上主義からの脱却なのか、中小零細企業を減らし、大企業を増やすことなのかという点で違っています(まぁ 根本的にはジャンル的に異なる本ですが)。
なんにしても、昨今の働き方改革の議論は、一般人にはそもそもの目的はなんのかがわかりにくいところがあるので、こういう本を読む価値はあると感じています。