ライターをしている友人にご招待を頂いて、新潟県長岡市山古志で開催されている棚田棚池ライトアップと山花火のイベントの取材をさせて頂きました。
長岡と言えば、長岡の花火大会が有名ですが、2020年はコロナ禍の影響により開催出来ませんでした。そんな中、地元の方々がこのような状況下でも少しでも新潟の人達の気持ちに希望を与えられるものをと新潟県民限定で企画したのが、この棚田棚池のライトアップと山花火です。
地域で協力して苦境を乗り越える
今回、棚田棚池ライトアップと山花火を見せて頂く前に、山古志エリアのお隣にある蓬平温泉エリアにある「よもやま館」「和泉館」「福引屋」の3軒の旅館の女将さんにこのイベントやコロナ禍の中での状況などを伺うことが出来ました。
もともとこの蓬平エリアは、温泉地として有名です。歴史ある3軒の温泉宿が協力して今回のイベントを盛り上げています。棚田棚池のライトアップが行われる山古志エリアにはシャトルバスが出ていて、10分程度で行けます。花火を見たあとは、食事と温泉で心と体を癒やすことが出来ます。
3軒の旅館は同じエリアにある音声旅館でもそれぞれに個性的。
よのやま館は谷を挟んだ立地となっていて、温泉や部屋の窓越しに対面に設置された舞台を見ることが出来ます。
この舞台には毎晩よもやま館の女将さんをはじめ旅館のスタッフの方が踊りやお芝居を披露していて、宿泊される方々を楽しませています。
音響設備などにもかなりこだわっていて、暗闇に映る舞台から流れる音楽と主に踊る姿がとても幻想的です。
和泉屋さんは、蓬平温泉エリアの3軒の旅館の中ではもっとも規模が大きく、近代的な造りをしているお宿です。
今回のイベントでも、3軒の旅館で協力して地域を盛り上げようという取り組みにリーダシップを発揮されています。
また、コロナ禍の一連の出来事をチャンスとして捉えて働き方改革にも取り組まれているそうです。今後の先進的な取り組みにも期待したいです。
福引屋さんは、その名前の通り毎日開催されている福引きのイベントが最大の目玉。
中には、宿泊無料券という大判振る舞いな景品もあり、参加者の方々もこれを楽しみに来られている方が多いようです。
3軒それそれに個性的ではありますが、この蓬平温泉、そして長岡を盛り上げたいという想いは同じ。そして、来て頂いたお客様に心からくつろいで頂きたいという想いも同じでした。
感染防止策も徹底されており、それぞれの宿の入り口にはサーモグラフィーが配置され検温などの耐性も万全なので、安心して楽しむことが出来ます。
長岡駅から20分程度で送迎のバスの手配なども出来るので、お好みの宿に宿泊してみて下さい。
日本で唯一の棚池ライトアップ
続いて夕方から棚田棚池のライトアップを見学。
山古志エリアで稲作に利用されている棚田棚池に光を浮かべてライトアップをしています。実は棚田をライトアップするイベントというのはすでにいくつかあるそうなのですが、棚池に明かり浮かべるライトアップは日本でも初めての試みだそうです。
棚池に浮かぶ光は湖面に反射して宇宙空間かと錯覚させる美しさがあります。
稲作エリアだけあって、ライトアップされているエリアも広大。一周回るのに30分くらいはかかりました。
今回の棚池のライトアップのために、シーズンオフで1度水抜きが終わった棚池に再度水を入れ直しているとのこと。このイベントに対する山古志の人達の力の入れ具合がわかります。
大迫力!復興の願いを込めた山花火
棚田棚池のライトアップと並び、もう一つのメインイベントが山花火。長岡と言えば、花火ですが例年のような大きな花火大会は出来ません。そこで今年は10/31(土),11/1(日)、11/7(土)、11/8(日)に分散して、花火大会を開催しています。
驚いたのが、これまで経験したどの花火大会よりも花火との距離が近かったこと。花火がかなり至近距離(もちろん安全な距離で)炸裂するため、目が覚めるような大迫力を感じました。
長岡の花火と言えば、フェニックス呼ばれる信濃川沿いに大規模に打ち上げられる花火が有名です。このフェニックスには復興祈願という願いが込められており、中越沖地震の後や東日本大震災の後も、自粛ムードの中でも、うち打ち上げられました。
長岡の人々にとって、花火には自然災害からの復興の願いを込めた特別な意味があります。
今年は、コロナ禍で直接フェニックスを打ち上げることは出来ませんが、それでもこの山花火大会を実施するのは、コロナからの復興を決意する長岡の人々の意思表示だと言えます。
一日の取材を終えて
短い時間でばありましたが、長岡に滞在して感じたのは、この地域に住む方々のホスピタリティの素晴らしさでした。
取材をさせて頂いたどの蓬平温泉の旅館の方々も、棚田棚池のライトアップや花火を企画した長岡市山古志支所職員の方々も、長岡に来てくれた人達に楽しんでもらうにはどうすればいいかを真剣に考えられていました。そして、同時に地元を盛り上げたいという熱い気持ちを感じました。
今回のイベントは、新潟県民限定のイベントですが、長岡は東京から上越新幹線で90分程度でいくことが出来る場所です。今回取材した以外にも、日本酒の酒蔵なども有名なので、今度はプライベートで行ってみたいです。