電子書籍で読んだ本は記憶に残らないという説が間違いな理由

本はほとんどの場合、電子書籍で読みます。電子書籍は読みたい時にすぐに購入してダウンロード出来るし、手軽で便利です。

そんな便利な電子書籍ですが、ある問題があると言われています。それは紙の本に比べて、読んだ本の記憶が残らないということ。この説について私は否定的です。

今回はこの説について、私なりの見解を述べてみます。

電子書籍より紙のほうが頭に残る

よく電子書籍に否定的な考えを持たれている方から聞こえるのが電子書籍で読んだ本は頭に残らないという説です。

この説に関しては、様々なところで議論がされていて、その中でもよく言われるのがページをめくる感覚があるので記憶に定着しやすいというものです。

電子書籍より紙の本で読んだほうが、内容をよく記憶できる:研究結果 | ライフハッカー[日本版]

確かに言われてみると、納得できそうな理由です。ですが、私はこの結果はある意味真実であり、ある意味間違いであると考えています。

人間には優位感覚がある

NLP(神経言語プログラミング)と言われる心理学を駆使したコミュニケーションメソッドの中でよく言われているのですが、人間には優位感覚といって、人によってそれぞれ優位になる感覚が違うと言われています。

優位感覚は主に、視覚優位、聴覚優位、そして触覚などの体感覚優位の3つに別れます。

おそらくですが、ページをめくることで記憶に残りやすくなる人というのは、確実に一定数いて、その方々は優位感覚が体感覚だからではないかと考えています。

電子書籍だけでなく、オーディオブックにおいても、耳から本を音声で聞いて頭にのこる人と残らない人がいて、好き嫌いが分かれるのですが、これもオーディオブックを聞いている人が聴覚優位がどうかが大きく影響していると考えられます。

そのように考えれば、電子書籍であっても視覚優位の人であれば記憶に残りにくいということはないと考えられます。

UI/UXの進化が考慮されていない

紙と電子書籍どちらが記憶に残りやすいかという研究は今も続いているはずですが、今これらを主張している根拠なっている研究論文は、2000年代から2010年代前半に書かれたものが多いようです。

この時期といえば、電子書籍の黎明期で、まだiPadも登場していませんし、あったとしても今と比べて解像度も格段に低い時代です。

また、インターフェースについては、日々改善されており格段に使いやすくなっています。例えば先のページめくりの問題も今の端末はレスポンスも劇的に改善されています。

このような時代に計測されて実験の結果と、最新のタブレット端末や、電子インクを搭載した端末を使用して行う実験の結果では明らかに結果が変わってくるはずです。

ITの世界の技術が日進月歩なことは今更説明するまでもありません。そのような状況の中、何年も前の実験結果を鵜呑みにするというのは、あまり意味のないことだと考えています。

今日のアクション

というわけで、紙の本で読もうが電子書籍で読もうが変わらないはずです。読みやすい媒体でコンテンツを楽しむことに注力しましょう。