未だに私は紙に本が好きだから Kindleは支持しないっていう意見を聞きます。
基本的は私は書籍を読むときは、状況に合わせて紙、電子書籍、そしてオーディオブックを使い分ける派です。だから電子書籍が至高であるなんてことは考えていません。
ただ、そんな Kindle否定派の方に気づいて欲しいのはAmazonは本好きの人に向けていい仕事をしているということです。
私は書籍はKindle Oasisで読んでいます。
Kindle OasisとKindle Paperwhiteとの違いって何?
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読書家はベストセラーよりロングセラーを好む
自分で言うのもはばかられるのですが、私はたぶん世間の平均よりは読書家のほうだと自負しています。で、そういうある程度本を読むのが好きな人というのは最近売れているベストセラーよりも長く読み継がれているロングセラーの本を読みたいという欲求が強いです。
今世間で売れている本というのは、基本的に単にはやっているというだけでこれが本当に名著といえるかどうかは時間が経ったときの評価にゆだねるしかありません。
本を出す側も書店もビジネスでやっているので、当然一冊本が売れれば、それに関連する類書をどんどん押してきます。たとえば「嫌われる勇気」がヒットして以降、「アドラー心理学」を扱った本は一気に増えました。これはビジネスとしては健全なやり方です。
ですが、読書が好きな人間はそういうマーケティング的なところから距離を置きたいという欲求を少なからずもっているものなのです(もちろん今話題の本も読みなすが)。
Amazonは読書家を相手にビジネスを始めた
以前「私は本を読むのが好きで本屋が好きだからAmazonでは買わないようにしている」と言っていた知人がいました。
私はその話を聴いて「本屋が好きなのは理解できるけど、読書が好きな人はAmazonを使わざる得ない」と心の中でつっこんでしまいました。
Amazonはいわゆるロングテール戦略を活かして、今のポジションを気づいた会社だけに、マイナーな本や昔の本であっても在庫をもっていることが多いです。数十年前に発売したロングセラーの本も、書店で探せばあるかもしれませんがAmazonで探したほうがよっぽど早く手に入るのです。
つまりAmazonは最初から読書家を相手にしたビジネスでのし上がってきていて、先ほどの人の発言は私的にはわかってないなと感じるのです。
Amazonは着実に名著を Kindle化してきている
そしてここ数年Amazonの動きをみていると、 Kindleについてもできるだけ読書が好きな人にニーズに応えようとしているのがわかります。
私は Kindleが始まったばかりのころ、すでに販売されている紙の書籍を改めて Kindle化するというのは大変なので Kindle化されるのは最近発売された本が中心だろうと考えていました。
ですが、そんなことはありませんでした。
Kindleが日本に上陸して5年。過去の名著といわれる本が着実に Kindle化されてきています。たとえば梅沢忠夫さんの「知的生産の技術 (岩波新書)」やダーウィンの「種の起源」など名著だけれど今となってはそんなに沢山は部数でないと考えられる本もどんどん Kindle化してきています。
池上彰さんの著書「世界を変えた10冊の本 (文春文庫)」は、歴史に影響を与えて本を池上さん目線で紹介している本ですが、これに掲載されている本の大半は Kindle化されています。
これは明確にKindleの顧客層を読書家に絞ってきている現れだと感じます。
そして私はこのことを Kindle否定派の人にこそ気づいて欲しいのです。
今日のアクション
もちろん、紙の書籍も好きですし、本屋さんもAmazonに負けずに頑張ってもらいたいのですが、単純に本の品揃えで勝負していては絶対勝てないのかなと感じます。
最近は池袋の「天狼院書店」のようにコミュニティ化を売りにしている書店も増えているので本屋という概念自体が変わってくるのかなと予想しています。