コミュニケーションの本質は私とあなたの境界線を知ること

当ブログのタイトル、問題の8割はコミュニケーション。ブログ開設当時、仕事上のコミュニケーションで悩んでいたところから来ているタイトルで、当時の私は話し方や、コーチング、カウンセリングといったコミュニケーション関係の本をいろいろと読みあさっていました。

それから随分と時間が経ち、しばらくはコミュニケーション関連の話題から離れていたのですが、また最近学び直したいという意欲が沸いてきています。昔、切羽詰まった時に学んでいた時とはまた違う視点でいろんなことを学ぶことが出来るようなったと感じるのです。

先日も日頃からお世話になっている茅場町のコワーキングスペースコエドさんで、NVC(非暴力コミュニケーション)の勉強会に参加してきました。

非暴力コミュニケーションは、ひと言で説明するのは難しいのですが、相手の感情とニーズを観察して、尊重するコミュニケーションメソッドと言えます。

NVCの内容や詳細は、また別の機会に記事にするとして、コミュニケーションや心理学の分野で注目を浴びているテーマの根っこを探っていくと、大抵の場合、私のあなたの境界線を意識的に引くという部分に辿りつく気がしています。

ちなみにこれをカウンセラーやセラピストの専門用語ではバウンダリーと呼んでいます。

これまで日本の社会は村社会で、以心伝心、横並びで、私とあなたの境界線というものが曖昧でした。そしてコミュニティや組織の中で権威者で、目下や立場の弱いの人間の心にまで目を配る人は少数派だったように感じます。以心伝心だから、相手の気持ちを確認するプロセスは省略されてきたのです。

このため、相手の心の中にある不可侵の領域に土足で踏み込んでいいと勘違いする人がいて、それがパワハラやセクハラにつながっています。

また、単に個人間のコミュニケーションだけの問題に留まらず、多くの日本の組織が停滞しているのも、結局は同質的な人間ばかりを求めた結果、活力を失ってしまうという問題が根底にあんるのだと感じています。

ですが、いい加減、それが限界だということの世の中の多くの人が気付き始めているのではないか、だからNVCのような私のあなたの間には境界腺があり、それを尊重するにはどうするべきかというメソッドが注目を浴びているのだと感じるのです。

結局のところ、私が以前悩んでいた仕事上のコミュニケーションも、自分が言ったことを相手が理解しくれるはず、自分と同じことを感じてくれているはずという幻想に捕らわれていたから起こったとも言えます。

私とあなたは違う人間であること、そして互いが尊重されるべきであること(言葉にすると少し安っぽくもあるのですが…)
がコミュニケーションの原点であると改めて感じるのです。

今週の気になっている本

というわけで随分前に購入してまだ完全には読破出来てないNVCの本。

コミュニケーションメソッド系の本は斜め読みをして気になったところを重点的に読むような読み方をすることが多いのですが、内容がかなり細部にわたり構造的に書かれているため、このジャンルの本としてはかなり読破に時間がかかります。その内容は充実しているので、腰を据えて取り組みます。