感染症予防も選挙も無知の知を自覚しなければ判断は出来ない

先週末くらいから東京都内でも新型コロナウィルスの感染者が見つかるようになっています。ネットでは、政府の対応が遅いとか、クルーズ船を隔離するのは愚策だとかなり批判的なコメントが飛び交っています。

実際、日本以外の国ではウィルスが中国で見つかった段階で入国規制をかけて感染の抑え込みに今のところ成功している所もあるようです。それと比べて日本の対応の悪さは酷いと言われています。

不安と終わりの見えない状況にややパニックに近づいていると言えます。

ただ、ネットのニュースをみては政府が悪いと、対応が遅いって避難している人のほとんどは素人です。そういう人達ってそもそも、どれが正しい対応だったかなんて判断できるほど知識や経験があるのでしょうか。

例えば、今回水際で入国規制をかけて、インバウンド向けのビジネスをしている人達の反対を押し切って、ある程度の抑え込みに成功していたとしても、それはそれで「そこまでする必要はなかった」という感じで対応をパッシングされていたような気がするのです。

同じようなことで毎回悩むのが選挙です。よく選挙は政策をみて選ぶのがあるべき姿と言われますが、私はあれは甚だ疑問です。

そもそも、ほとんどの人は政策を評価する能力など持ち合わせていません。ほんとんどの人は自分が抱えている目の前の問題を解決できるかどうか以外の判断基準など持っていないのです。

例えば、消費税は本当増税する必要があるのかという問題一つとってもそうで、経済の専門知識などほとんどない一般人に増税が長期的に日本の社会に及ぼす影響など分かるわけがありません。

耳障りがいい政策ばかり掲げて政権をとったあげくほとんどまとも実施出来なかった政党もありました。

結局のところ、我々は本質的なことは何も知らないのです。それでも感染症対策にしろ、選挙にしろ何かしらの選択をしなかれば行けない状況なのです。

それなのにあたかも我々が正しい答えを知っている主張しているという意味の分からない前提に立つから、今回のような過剰なパッシングや混乱が起き、冷静な議論が出来ない気がします。

我々が知るべきは無知の知でると自覚するべきなのです。

今週の気になっている本

IT業界のサクラダファミリアと呼ばれ、マスコミで何度もとり上げられたみずほ銀行のシステム統合の記録です。ITに関わるものとして呼んで起きたいところなのですが、痛々しい感じがするので今のところ、手にとる勇気がありません。

ここまでの規模になるとちょっと人智を超えたもののような気がします。