ストックな情報としての書籍の価値を改めて感じる

連日、新型コロナウィルスの様々な報道が飛び交っています。東日本大震災の時に、テレビのネガティブな情報を無防備に受け取っていたらかなりメンタルにきた経験があるので、テレビや新聞から入ってくる情報は最小現にするように心がけています。

ただ、今回のコロナウィルスの件は、東日本大震災の時と比べて感じるのはそもそも原因はウィルスだけに、素人では、正しい対処方法もその怖さも実際のところよく分からないということがあります。マスコミやネットニュースの情報見て、一喜一憂したところでそれがあっているのか正しいのかよくわからないのです。

そもそも、マスメディアで得られる情報にしろ、ネットニュースで得られる情報にしろ、ウィルス感染症という専門的な分野を理解するためには、情報としてフロー的すぎると感じています。

ここでいうフロー的とは、断片的で、一部分を切り取っただけの情報だったり、刻々と変わっていく状況の中である一瞬だけのことを取り上げているに過ぎないという意味です。ある時に正しかった対応が、翌日には間違った対応になるということはこういう状況よくあることのはずです。

そして、そのフロー的な情報を見て、一喜一憂、いやほとんど憂慮ばかりしている我々もいつのまにかフロー的に振り回された暴徒と化している部分が少なからずあります。

新型コロナウィルスの問題が本格的に顕在化したのは、ここ二ヶ月くらいなのでこの段階で体系的、ストック的な情報を素人が手に入れるのはなかなか難しいのは間違いありません。

そんな中、先日教えてもらったのがクルーズ船の時に話題になった岩田健太郎さんの書籍です。

内容を読むと、クルーズ船の対応の何が問題だったのか、新型コロナウィルスとはどんなウィルスなのか、そしてなぜ日本ではPCR検査を多くの人に実施しないのかが、かなり丁寧に素人にもわかりやすく順を追って書かれています。この本を読むとここに至るまで何が起こっていたのかがよく分かります。

もちろん、岩田さんは感染症の専門家ではあるけれど、その中には個人の見解も含まれています。ただ、やはり新型コロナウィルスとはどんなウィルスで、どんな症状が出て、どう対処すべきなのかについて、今の段階でここまでストック的にかかれている本はなく、価値の高い本と言えます。

ネットニュースや動画が台頭して、書籍の価値は下がったと考える人も多いけれど、やはりまとまった分量の活字によって体系的な情報を届けてくれる書籍というのは、必要な存在だと私は改めて感じているのです。