本を読むってことは多様性を受け入れるってこと

このコロナの騒動で頭を痛めていることのひとつが、読書の量がへっていること。今まで読書の時間のほとんどを移動時間で確保していたため、外出出来ないとなると移動時間も減り、読書の時間も減ってしまったのです。ちょっとこれは良くないなと感じています。

私の場合、読む本はほとんどがビジネス書やノンフィクションで小説はごくわずかです。自分にとって娯楽としての読書の割合は必ずしも高くないのです。

だからといって、いわゆる自己啓発色が強い本もここ何年かは敬遠しています。そういう凄い話を読んだからといって自分のものに出来るかといえば、ほとんどの場合はノーだからです。

では、自分にとって本を読むこととはどういうことなのかを真剣に考えると、今の時代において多様性を受け入れるトレーニングなのかなと感じることがあります。

世の中の価値観が多様化しているとはいうものの、日常的に会える人というのは限られていて、どうしても自分と属性の近い人と繋がりがちです。ただ、世の中に自分が想像もしないようなことを考えていたり、想像も出来ないような経験をしている人がいるのは間違いありません。

ただ漫然と生きていては、自分の思考パターンは決まってしまい、いつのまにか自分の狭い経験知の中でしかものを考えられなくなる。そして何よりもその狭い思考で行動することが誰かを傷つけてしまうかもしれないと感じるのです。

私は正直、器に小さいほうなので自分が理解出来ないものはついつい排除したくなったり、イライラしてしまうことがあります。恐らく本質的には不寛容な人間なのでしょう。

ただ、そんな私でも本を沢山読むことで様々な価値観、生き方があることを予めしっておけば、自分と違うタイプの人が目の前に現れても、少しだけ柔軟に振る舞うことが出来るのです。

本は人の人生の疑似体験だと言っている人もいますが、この価値観が大きく変わろうとしている時代には、いよいよそれが大事だと感じるのです。

今週の気になっている本

我が故郷、福岡ソフトバンクホークスの工藤監督の本です。選手との向き合い方、トレーニング論、野球観など、監督としての気持ちが込められています。そして、この本で特徴的なのは割と自分の失敗をさらけ出していること。現役監督がここまでかけるっていうのは凄いことだなと尊敬してしいます。なんというか読んでいて工藤監督の真摯さが伝わってくる内容になっています。

工藤監督自体は、テレビなどでもよく見かけるわけですが、こうやって普段考えていることまでを知ることが出来るのがまさに読書の良いところなので、なんとか読書量を戻したいと考えています。