専門性よりも総合力が問われる時代になっていく

最近、IT業界の一部の界隈でNoCodeという仕組みが注目を浴びて言います。これはいわゆるプログラミングスキルが無くても、WebサイトやWebサービスが作れるツールのことです。

現段階では、いろいろと制約はあり発展途上の分野ではありますが、これが進化していくと一部のスーパープログラマを除いて、プログラマは不要と言われる時代も来るかも知れません。

また、最近は機械翻訳の精度がものすごい勢いで向上していて、翻訳家の作業は、1文1文訳すより機械翻訳にかけて、翻訳結果を編集するほうが生産性が高いらしいです。

こうなってくると、ITの分野で行けばプログラミング自体の能力よりも、要件に合わせて最適なツールを選定したり組合わせる力が重要になるし、翻訳の分野で行けば、外国語の能力よりも外国語の背景を理解して編集する力が重要になってきます。

人間がやるよりも機械のほうが生産性が高いなら、任せてしまおう。おそらく今後、こういうことがあらゆる分野で進んでいって、狭い分野に特化した専門性というのは、その分野の本当にトップレベルの人を除いて価値がなくなっていきます。

そして代わりに求められるのは、いわゆる総合力であり、コンテキストを読み解く力。ニーズを読み解いて最適ツールを選定したり、戦略を立てられる人になっていくかと。

ただ、総合力ってそれをどうやって身につけるか、またそれが出来る人であることをどうやって、人に示していくのかがとても難しいですし、正直経験値を積むのも巡り合わせの部分が大きい。

このような状況の中で、個人がどうキャリアを積んでいくのかは結構難しい時代になるかもしれないと感じているのです。

今週の気になった本

ここのところ、任天堂関連の本ばかり読んでいます。上記で書いたようなことを解決するヒントが任天堂の逸話の中にはいろいろと入っていると感じるからです。

こちらもWiiの開発に関わった玉樹さんの書籍です。コンセプトの作り方に書かれています。まさに総合力って、コンセプトを作る能力なのでいろいろと考える材料になりそうです。