2021年も残り2週間を切りました。個人的に今年はカメラを勉強し始めて、新しいことにも挑戦することが出来た年でした。
家にいる時間が増えて、移動時間が減ったため本を読む時間は若干減少傾向ですが、それでも良い本にも出会えました。さっそく紹介していきます。
2021年に読んで良かった本を紹介するよ
世界は贈与で出来ている
世の中には、GIVE AND TAKEの等価交換だけでは成立しない価値の流通、すなわち贈与によって成り立っている世界があると分析し、行き過ぎた資本主義に警鐘を鳴らしている本です。
岸田内閣が「あたらしい資本主義」という主張をされていますが、なんとなく近い部分もあるのかもしれません。
クラウドファンディングやオープンソースのような短期的なリターンを期待しない活動というのは、注目を浴びているので、この本の指摘は正しい気がします。
妄想する手 思考する手
社会にイノベーションをもたらした技術は大抵、遊び半分のところから生まれた。社会の遊びの部分がイノベーションを生み出すのであって、本来は狙って生み出せるものではないというのが本書の主張。
今の社会はルールを絶対視した結果、息苦しくなっていて、そのことが社会からイノベーションを奪っているとのこと。
確かに、今の世の中の閉塞感ってそういうところから来ていると共感できる内容にでした。
ソニー再生
近年、日本の主要メーカーの中では、唯一のV字復活を遂げているのがソニー。そしてその立役者ことがソニーミュージック出身の平井氏です。ソニーミュージック出身という亜流の出身であった平井氏がどうして社長になり、何をしてソニーを復活させたかが書かれています。
個人的には、平井氏が凄いのはもちろんですが、そういう人がトップに立てる風土があったソニーの風土が他者との違いなのかなと。
こういう本は勝てば官軍のところがあり、業績が悪いと逆に酷評するような本があるので、あまり振り回されないようにすることも大事ですが、本書は読み物として面白いです。
ファシズムの教科書
ファシズムと言えば、戦前に一部の国でやっていた恐怖政治の体制のことで、現代に生きる自分には関係ない。そう考える人は多いのかもしれません。
ですが、私はなんとなく、今の日本の同調圧力とか、いじめの問題なんかはファシズム的だなと感じています。
本書では、ファシズムとはどのようなものか、どのような心理状態でおこるのかを解説しています。ファシズムは案外身近なものだとわかります。
悪い奴ほど出世する
ちまたにはびこるリーダー論に対するアンチテーゼ的な本です。リーダーとは適度の嘘をつき、人の心を操りながら、最終的に自分の利益に誘導していく存在のことだと書かれています。
確かに様々にビジネス書に書かれているような理想のリーダーなんて、少なくとも私は人生で出会ったことがありません。むしろ圧倒的に逆のことが多いです。
世の中、きれい事だけでは生きていけません。そういう意味で、いいように操られない様に生きるために必読の書と言えます。
観察眼の鍛え方
2021年、個人的にもっともエポックメイキングだったのはカメラを始めたことです。いやー 写真って楽しいですね。
そんな写真ですが、うまい人とそうでない人はどこが違うのか。その要素はいろいろありますが、観察眼の差は間違いなくあります。写真がうまい人は漏れなく、シャッターチャンスを見抜く目が優れています。
では観察眼とはどのように鍛えることが出来るのか。本書ではその点について解説しています。カメラだけでなく、ビジネスも含めた普遍の真理に近い部分があるので、是非おすすめしたいです。
LISTEN
コミュニケーションとは、聴く力であるとは当ブログでは折に触れ言っています。ですが、この聴くについて総合的に書いている本は案外少ないです。
例えば傾聴について書いてある本は、主にカウンセラー向けであったりすることが多く、ちょっとビジネスの現場では応用しにくいとか、マネジメント向けの内容にはもうちょっと心理学的なアプローチが入れて欲しいなといった具合です。
ですが、本書はシンプルに聴くということについて、言語学、心理学、行動学やさらにビジネスプロセスにおける役割について、かなり多岐なカテゴリについて横断的に書かれています。
ここまで横断的に聴くということに書かれた本を他に読んだことが無く、それ故、あらゆる人が読んでなにかしら得るモノが本だと言えます。まだレビュー記事を書けていないので、近いうちに書こうと考えています。
今日のアクション
気が付くと今年は下半期に読んだ本のほうが印象に残っているものが多かったです。ここに紹介されている本は全てKindle化されているので電子書籍で読むことが出来ます。
2021年12月25日は「2020年版Kindle読書術」も発売予定なので、お楽しみに。